前回、白に赤線の杭について説明がありましたが、この杭の外側を通り、OBゾーンに入った場合の処置について教えてください。
この杭は通称赤杭と呼び、この杭の左右どちらかを通過禁止区域にしています。
通過禁止区域
NPGAの考え
NPGA(公益社団法人 日本パークゴルフ協会 Nippon Park Golf Association)ではこの赤杭の設置を認めている訳ではありません。しかし安全上の理由から設置することについては禁止もしていません。
そこでNPGAの規則にない内容なので、これはローカル・ルールとして扱われます。ローカルルールは、それぞれのパークゴルフコースの特殊な事情や、状況に応じて決められるものなのです。
そこで、この取り扱いもそのパークゴルフ場で決めていることを守らなければならないということであり、これに違反すると当然2打罰が付加されます。
この図では杭の左側を通過禁止区域としていると仮定して話を進めます。
ローカル・ルール、処置は2とおり
ティーショットをして、ボールがこの杭の左側を通過すると、その時点で2打罰が付加されます。この場合、ボールが止まった位置は関係ありません。もちろん第2打以降でもあり得ます。
その次の第2打(以降)がパークゴルフ場の規定によって変わります。
1 通過したと思われる線上から2クラブ以内でカップに近づかない方向にボールをプレースする。
2 通過して止まった地点からそのまま打つ。これは大会進行を遅らせないために考えられていることです。これを「前進主義の考え方」と言います。
上で述べたようにこの「赤杭」はNPGAが認めていないことですから、そのコースでプレイする場合は、通過禁止区域を通った場合のペナルティの有無とボールの処置を決める必要があります。
従って大会主催者はこれを明確に決めて、大会参加者にしっかりと伝える責任があります。ただ、これを設置しているパークゴルフ場ではローカル・ルールとして規定していますので、それを伝えることで良いでしょう。
OBになった場合
ではご質問のように、通過禁止区域を通ったボールがOBになっている場合について考えてみましょう。
これは通過禁止区域を通った段階で罰打がありますので、そのボールがOBになったら、さらに2打が付加され、合計4打が付加されます。
その時のボールの処置は、普通のOBと同じように、OBラインを切ったと思われる場所から2クラブ以内でカップに近づかない場所にプレースです。このとき、赤杭による通過禁止区域内にあっても、問題はありません。何故なら通過を禁止しているのは「線」を通過することですから、すでに通過している線を再び通過することはあり得ないからです。
何故赤杭の設置を認めないのか
NPGAが「赤杭」を何故認めないのでしょうか。
それは野球のフェアかファウルのように判定する審判を配置しないからです。OBのようにボールが止まった位置で判定するものは同伴プレイヤーによってできますが、通過したかどうかは動いている間のことですから、それが原因でトラブルになりかねません。
因みにOBの判定は、同組の一人でもOBの判断をしたらOBですね。しかし、通過に関しては見る角度によっては判断できない場合がある訳です。だからそういうトラブルの原因になるようなものは設置を認めない、ということになります。
パークゴルフ場に臨むこと
ですから、当該のパークゴルフ場には赤杭の代わりにネットを張るなどをしていただきたいと考えます。これなら、その方向に打球が飛んで行っても、他のプレイヤーにあたる危険は無くなるし、判定も簡単にできます。
最近は野球・相撲・テニスなどもビデオやIT技術を使った判定がなされています。パークゴルフでもそのような時代が来ると判定が楽になりますがね。
そういえば直接関係はありませんが、2021年度の豪州オープンのテニスにはボールのイン・アウトを判定する線審をなくし、機械判定を導入しました。いままで「チャレンジ」を申請していた選手にとっては人間の目によるあいまいな判定がなくなった分、ストレスもなくプレイに専念できるという効果をもたらしたと思います。
パークゴルフは本来の趣旨からいうと、楽しく、安全にプレイすることですから、あまりギスギスした雰囲気をもたらすようなことについては再考をお願いしたいものです。
そのためには是非安全ネットの設置をしたいただきたいものと考えます。
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